ミュージアムコンサート『チェンバロで弾く古典派の曲〜ソナチネアルバムから〜』を開催しました
更新日:2022年7月9日(土) 【コンサート】
6月26日に、ミュージアムコンサート『チェンバロで弾く古典派の曲〜ソナチネアルバムから〜』を開催しました。
今回は、ピアノに触れたことがある方にはおなじみの「ソナチネ」を、チェンバロでたくさん演奏していただきました。
素敵な音色を奏でてくださったのは小田郁枝さん、宮本祥子さんのお二人です。
コンサートの幕開けとなったのはフンメルの《エコセーズ》。短くてかわいらしい、とても楽しげな曲です。
タイトルにもある《ソナチネ》も早速演奏してくださいました。クレメンティの《ソナチネ Op.36 No.1 ハ長調》を弾かれる時、小田さんは学生時代のことを思い出しながら弾きますとお話しされました。初歩的な曲だからこそ、修業時代の色々な思い出が詰まっているようですね。
続いて、ドゥセックやベートーヴェンの《ソナチネ》も演奏していただきました。
ドゥセックはボヘミア人の作曲家兼ピアニストで、その才を認められてマリー・アントワネットに重用された時期もあったそうです。このドゥセックの《ソナチネ Op20 No.1 ト長調》はフルートの演奏も想定した楽譜だったようで、音楽一家に生まれたドゥセックの豊かな感性がうかがえます。
ベートーヴェンの《ソナチネ ヘ長調》は彼の没後に見つかった曲です。ベートーヴェンといえば《運命》や《月光》でよく知られ、すごく重々しい曲を作っているイメージがありますが、この《ソナチネ へ長調》はなんとも可愛らしく軽やかで華やかな音色でした。
その次は再びクレメンティの曲が登場します。今度は《ソナチネ Op.36 No.2 ト長調》です。実は、さまざまな作曲家が作っている《ソナチネ》の中でも、チェンバロの音域に適しているのはクレメンティの曲が多いと、小田さんはお話ししてくださいました。こちらの《ソナチネ》は軽やかな部分やゆったりした部分などさまざまな表情があり、聴いていてとても楽しくなるような曲でした。
最後に、小田さんと宮本さんのお二人でモーツァルトの《ソナタ K.V.19d ハ長調》を連弾していただきました。やはり連弾となると一度に響く音の数が多く、チェンバロの静かな音でも勢いや迫力を感じました。お二人はチェンバロの上下2段の鍵盤を巧みに使い分けて演奏されていたので、近くで見ていた方にとっては圧巻の光景だったかと思われます!
蒸し暑い日々が続く中の、爽やかな音楽のひとときでした。
ご来場いただいた皆さま、出演者のお二方、ありがとうございました!
なかた美術館では皆様に心休まるひとときをご提供できるよう努めてまいります。
ご来館の皆様へは以下のことをお願いしております。
併せて「新型コロナウイルス感染症への安全対策について(最新版)」もご確認ください。
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次回のコンサートは
7/31(日)チェンバロミュージアム親子コンサート
『作曲家をめぐる父子の物語 ―おはなしと演奏、画像でつづる―』
次回は親子コンサートということで、作曲家とその父の関係に注目したプログラムをお楽しみいただけます。演奏だけでなく、わかりやすいお話と画像も加わった、気軽に楽しんでいただける内容です。
小学生以下のお子様は500円でご参加いただけますので、ご家族でのご来場もお待ちしております!
『Blue−アイズピリとクリスタン−』が始まりました。
更新日:2022年6月28日(火) 【展覧会】
先日から開館25周年を記念した展覧会の第二弾として、『Blue −アイズピリとクリスタン−』がスタートしています。
ポール・アイズピリとピエール・クリスタンはいずれもフランス生まれの具象画家で、当館がコレクションのなかでもっとも数多く作品を所蔵している画家たちです。
色鮮やかさと力強さが特徴のアイズピリと、落ち着いた色彩と構図が印象的なクリスタン。
両者の作風は大きく異なりますが、共通して海や水辺の風景を多く描いており、今回は2人の作品を一堂に展示しています。
南仏カンヌやサントロペ、ギリシャの島々、ヴェネツィアなどの街並み、そして海辺に集う人々を描いた作品には、今回のテーマである青色が多く使われています。
青は知性や平和の象徴として多くの人に愛される一方で、孤独や悲しみをイメージさせる色です。
今の時季には涼しさ、冷たさを感じさせる、目にも嬉しい色でもありますね。
そんな青の魅力にも注目していただきたく、展示のなかでフランスの伝統色からさまざまな青色をご紹介しています。
海の青だけでも何種類もあり、そのほかにも、“忘れな草”や“孔雀”、“オパール”といった自然物や、タバコのパッケージ、水夫の仕事着から名付けられた青などがあります。
今回はこれらの青色をリストにして、受付でもお配りしています。
青の多彩な表情を楽しみながら、それぞれの作品をご覧いただければ嬉しいです。
併設レストランロセアンでは、期間限定のデザートセット「プロヴァンサル」もご用意しています。
“南仏風”を意味する名で、レモンとトマトを使ったタルトレットです。
爽やかな甘さで、展覧会の余韻を引き立てます。ぜひご賞味ください。
お出かけの際は熱中症対策も万全に、涼しい館内でお過ごしいただければ幸いです。
会期は10月2日(日)まで。
詳細は展覧会のページをご覧ください。
なお当館の新型コロナウイルス感染予防対策の詳細はこちらからご覧いただけます。新型コロナウイルス感染症への安全対策について(PDF)
ご来館の際は何卒ご協力のほどお願い申し上げます。
ワークショップ「色とりどりのバラを描こう」を開催しました。
更新日:2022年6月26日(日) 【nakata Labs なかたラボ】
こんにちは!
先月開催したワークショップ「色とりどりのバラを描こう」の様子をお伝えします。
なかた美術館には様々な花の絵があり、特にバラの花を描いた絵がたくさんあります。
しかしその表情は画家によって様々。
今回のワークショップでは、描く対象をバラに絞り、
参加者の皆さんがどのようにバラを描いてくれるのか楽しみにしながら開催しました。
まずは展覧会を鑑賞しながら、絵の中でバラがどのように描かれているか観察しました。
ポール・アイズピリ はグルグル模様のバラ、北川民二のバラは四角い形や星のような形。
他にも花びらの質感までわかるバラの絵もあったり、
線や点を重ねてぼんやりした形のバラの絵もありました。
作品鑑賞の後は、実物のバラを見ながらしっかり観察して描きました。
スケッチを見ると、バラの花を星の形のように描きたくなった気持ちがわかりました。
今回は油絵具を使って描きました。
皆さん、油絵具は使ったことなかったので興味津々!
そしていよいよ本番。
普段馴染みのない絵具なので扱いにくいかなあ、と思いきや
絵具の特徴をすぐに掴み、そして絵具同士が混ざり合っていくのを楽しんで取り組んでいました。
1輪のバラを大きく描いたり、形をデフォルメしてして描いたり
それぞれの捉え方で描いています。
そして出来上がった作品がこちら!
短い時間でしたが、どれも力作ばかりです!
ちなみに、今回はこのようなバラのブーケを見ながら絵を描きました。
写真と見比べると、バラの花の特徴をよく捉えているのがよくわかりますね!
参加者の皆さん、ありがとうございました!
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。