スタッフブログnakata Labs なかたラボ
nakata Labs ガーデントーク & 小さなみどり
更新日:2015年6月4日(木)
早くも過ぎ去ってしまった5月・・。
かなり久しぶりのブログ更新になってしまいましたが、
nakata Labs 「春のガーデントーク」と、「小さなみどり」の様子をご紹介します。
5/24までの企画展「コレクションにみる“植物” × BOOKS」では、
花や樹木、果実など、さまざまな植物が描かれた作品を集めて展示しました。
で、せっかく裏庭もありますし、本物の植物にも触れてもらおう!という二つの企画でした。
まずは「春のガーデントーク」から。
すばらしいお天気のもと、久しぶりに植物の専門家である浜田展也さんを講師にお招きしてのレクチャーです。
浜田先生は、本当に高等学校の先生なのですが、お忙しい仕事の傍ら、ずっと研究も続けていらっしゃる
植物学のエキスパートです。
なかた美術館の裏庭では、意外なほどにたくさんの植物を見ることができます。
イロハモミジ、シダレモミジに始まり、ウメ、アンズ、アカマツ、クロマツ、ツツジ、アセビ、
カリン、ツバキ、モクレン、キリシマ、ハナカイドウ、タケ・・・
みなさん真剣にノートをとっています。
それぞれの植物の特徴を聞いていくうちに、
どのようにして、環境にぴったり合うように「進化」したのか?という質問が出ました。
その答えは、すべて「偶然」です。とのこと。
たまたま「偶然」、その場所で、その時に、生き残った植物と枯れた植物があって、
また次の世代になって、「偶然」生き残った植物と、枯れた植物があって・・・
単純にその積み重ねなのだそうです。
どれだけ積み重ねたのか考えると、気が遠くなりそうですが。
また環境破壊が叫ばれて久しい一方で、人間の手によって守られている種も多くあるのだとか。
元々は森林にあったのに、今では庭でしか生きられないような樹木もあるそうです。
バラなどのように、人間に気に入られたからこそ繁栄している種もありますよね。
でもそれらも全て、長い目で見たら「偶然」のひとつなのでしょうね。
浜田先生のお話を聞いていると、時間の単位が何万年、何百万年なので、
そのスケール感に、頭の中もぶわーっと広がっていくような感覚になります。
知的なわくわく感と、新緑の気持ちよさをたっぷり味わい、充実した時間になりました。
翌週は「小さなみどり -苔玉をつくろう-」を行いました。
「ヒグラシ園藝店」の松本麻美さんを講師にお招きして、本物の土と植物で苔玉をつくります。
まずは苔のお話からスタート。
小さな苔をよく観察すると、小さな森を見ているようでした。
生えている場所を見ると、意外に日当たりや風通しを好むことも分かります。
さて、苔玉づくりです!
まずは土を混ぜて、こねて、粘土状にしていきます。
これは結構、力が必要です。
こねてこねて、なめらかにまとまる粘土状になったら、丸く形作っていきます。
ハンバーグやおにぎり、土でお団子を作った子供の頃をなつかしく思い出しました。
いかに、つるつるのお団子が作れるか、真剣だったなあ・・・
さて、玉ができたら真ん中を凹ませて、好きな植物を植えていきます。
たくさんの小さな玉に一株ずつ植えたり、
大きな玉に、何種類かを寄せ植えにしたり。
こだわりの見せ所です。
土で、根を完全に包みこんだらら、それをシート状の苔でくるみ、テグスでぐるぐる巻いていきます。
これもなかなか難しいのですが、皆さん、笑顔で完成しました!
多少かたちが歪んでいても、自分で作った苔玉は、なんとも可愛らしく、愛着がわきます。
小さな緑たちは、なんとなく誇らしげに見えました。
私も、この日に作った苔玉を自宅でお世話していますが、土や緑に触るのはやはり心地良いものですね!
普段は室内にいることが多いので、新鮮な感覚で嬉しくなります。
どちらのワークショップも、たくさんの方にご参加いただき、達成感にあふれる時間となりました。
会期中は「コレクションにみる“植物” × BOOKS」にも、たくさんご来場いただきました。
どうもありがとうございました!