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ワークショップ&レクチャー「歌を集める」を開催しました
更新日:2022年6月4日(土)
5/15(日)に、ワークショップ&レクチャー「歌を集める」を開催しました。
このイベントでは、開催中のコレクション展「はじまりのバラ」に関連して、参加者の方に和歌を通して「作品をコレクションする」ことを学び、体験してもらいました。
前半のレクチャーパートでは、和歌のコレクションとも言うべき「歌集」について学びました。歌集にはどんな種類があるのか、収める和歌はどのようにして撰ばれたのかなどの歌集の精神的な面と、現存している歌集にはどのようなものがあって、どんな形をしているのかという物理的な面に触れました。
後半のワークショップパートでは、実際に和歌を撰んで歌集を作りました。
四季や恋などの「部立(ぶだて)」ごとに振り分けられた30首の和歌の中から、自分なりの基準で和歌を撰びます。恋の歌をたくさん撰ぶ人、四季の歌をたくさん撰ぶ人、「春」「風」「月」など歌に詠まれた詞(ことば)を見て撰ぶ人など、それぞれの個性が出ていました。
和歌を撰んだら、それをどのように並べるのかについても考えます。春、夏、秋、冬の順に季節を意識して並べたり、四季の歌を先頭にしてその後に恋の歌が続くように並べたり、こちらもまたそれぞれの個性豊かな発想が見えてとても興味深かったです。
和歌を撰び、歌集を編む人のことを「撰者(せんじゃ)」と言いますが、参加された方々はしっかり撰者になりきっていました!
今回は、和歌だけでなくその和歌を載せる紙も参加者の方々に選んでもらいました。植物の柄や文様を摺った風合いのものから、「破れ継ぎ(やぶれつぎ)」という技法を真似て作ったものまで、さまざまな和紙を用意しました。表紙に使う和紙や、綴じる糸の色も選んでもらい、思い思いの歌集が作られました。
最後に、歌集のタイトルを記した小さな紙「題箋(だいせん)」を付けて完成です!この小さな冊子の中に、撰者(参加者)のみなさんのさまざまな思いが込められています。タイトルを見るだけでも色々な想像ができますね。
作品を選び、集め、どんな順番で見せるかを考えて歌集を作ることは、まるで美術館や博物館での展覧会をつくってゆくようでした。
このイベントで、和歌や「コレクションする」ことに対して関心を抱いてもらえたら幸いです。
参加された皆さま、ありがとうございました!