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チェンバロミュージアムコンサート「夏の音」
更新日:2012年8月5日(日)
チェンバロミュージアムコンサート「夏の音」を開催しました。
大津典子さんの笙、坂井けいさんの舞い、小田郁枝さんのチェンバロという組み合わせ。
これまでのミュージアムコンサートの中でも、屈指の珍しさです。
笙が奏でる音には、様々なものと結びつきます。
今回は季節に合わせて、「黄鐘調(おうしきちょう)」という“夏の到来を喜ぶ”曲が演奏されました。
笙の高い音、低い音、震えるような音が同時に響き、
さらに、坂井さんの朗々とした詩の朗読が重なります。
曰く、「『黄』は火」で、「『鐘』は盃」。
「銚子に清みたる酒を入れたるがごとくにこれを吹くべし」だそうです。
夏の暑さのなかで、盃に清らかに澄んだお酒を注ぐ・・・。いいですねえ。
夏のほか、朱雀、南、火、夏、赤、磁、心臓、舌・・・様々なものに結びつくのだそう。
その他の季節にも、それぞれ合わせた調子があるのだとか。
笙はずっと昔から、自然や人間と深く結びついているんですね。
また今回は音楽に加えてパフォーマンスが加わります。
空間の中で、音とひとつになって自在に舞う姿は、
時間も場所も越えた、不思議な感覚を呼び起こします。
笙とチェンバロはそれぞれ東西の古い楽器で、なかなかない組み合わせです。
チェンバロは、通常415Hzのピッチ(音の高さ)に合わせられますが、
今回は、笙にあわせて430Hzで調律されました。
高い空まで響くような笙のゆったりした音色に、
チェンバロの鈴をならすようなキラキラした音が重なり合います。
鍵盤を動かすことで、大きくピッチを変えることができるというチェンバロの特徴を活かし、
それぞれの音色の良さが引き立ちます。さらに、空気を動かす舞いが加わり、素晴らしい共演でした。
暑さも時間も忘れるようなひとときをお楽しみいただけたでしょうか。
出演者の方々、そしてお越し頂いた皆様、どうもありがとうございました!
次回は
10月28日(日)「秋の訪れ 〜チェンバロと木管の響き〜」
二つの木管楽器とチェンバロが、優しく多彩なハーモニーを奏でます。
詳細は次回のコンサートのページへ
どうぞお楽しみに!