スタッフブログnakata Labs なかたラボ
観賞ワークショップを行いました!
更新日:2012年10月26日(金)
先日、尾道市内の中学校の美術の先生方が、研修に来てくださいました!
いただいたリクエストは「観賞教育について」ということで、はりきってワークショップを行いました。
今回取り組んだのは「フォトコラージュ」。
一人一人、気に入った作品をデジカメで撮影し、その写真を使ってコラージュ(貼り絵)作品を作ってもらいます。
撮影のポイントは二つ。
1.作品の全体を、八分割して撮影。
2.自分がいいなと思った部分を一箇所、アップで撮影。
こうしてできた合計9枚の写真を、パズルのピースのように組み合わせて貼りつけます。
この時、「いいなと思った部分」の写真が、一番上に重なるようにします。
もちろん、ぴったり八分割になんて撮れませんので、大きさも、位置も、角度もちぐはぐ。
それを、もとの作品に近づけようとしても、どうしてもずれてしまいます。
そうやって作業をしていると、新しい形や、面白い形が見つかって、思い切ってずらしてみたくなったりします。
山の端を長くつなげてみたり、海が遠くまで続いていたり・・・
そのせいでキャンバスの形がどんなにガタガタになってもOKです。
カメラを通したり、印刷された状態で見ることで、作品に直接向き合う時の緊張や、照れくささが薄まり、
コラージュをしている間も、じっくり作品を観察しているので、細かい部分に気づいたりします。
スーツ姿の大人達が、美術館でもくもくと作業。
こういう光景が、色んな美術館でも見られるようになればなあ・・・と夢がふくらみますね。
さて、もうひとつの作業は、作品の中に描かれているものを、言葉で書き出すこと。
今回は、後で並べ替えられるように付箋を使いました。
「青い海」、「小さな雲」、「遠くの山」・・・
まずは単純なこと、当たり前に見えるものから、どんどん書き出していきます。とにかくたくさん。
徐々に詳しく、自分しか見つけられないような言葉を書き出せるといいですね。
たくさん書けたら、自分のフォトコラージュ作品を印刷したワークシートに、付箋を貼り込んでいきます。
ここで大事なのが整理することです。
書き出した言葉を一旦並べてみて、どの言葉がより大事か、より作品について分かりやすく言い当てているか、優先順位を考えながら並べ替えます。
新たに書き足しても、矢印で結んだりしても良いですし、いらない言葉は捨てても良いです。
こうして目に見える形にすると、作品がどう見えたのか、自分が惹かれたのは何か、すこし客観的に考えることができますよね。
そして観賞教育というと、様々な「言葉」を話したり、読んだり、あるいは書いたり・・・言葉に重きが置かれますが、
今回は、言葉と同時に手を使うことで、より自然に作品を解きほぐすことができたのではと思います。
最後、ワークシートと元の作品を見比べてみました。
ワークショップの後だと、元の作品も、さっきとは違って見えてきます。
自分が取りくんだ作品についてはもちろん、誰かの取り組みや、言葉を共有することで、作品の見え方がぐんと広がります。
美術に携わっておられる先生方とのワークショップは、私達にとっても大変貴重な時間となりました。
これからもこうして、どんどん活用の機会をいただければ嬉しいです。どうもありがとうございました!