スタッフブログnakata Labs なかたラボ
冬のガーデントーク
更新日:2012年12月8日(土)
昨夜からの雨があがり、時折、雪がちらつきつつも、晴れ間も見えた午後。
「冬のガーデントーク」を開催しました!
講師はおなじみ浜田展也先生。今回も、多くの方にご参加いただきました。
寒いなかですが、紅葉や落ち葉、草木の実や、芽のことなど、この時期ならではの見どころがいっぱいです!
花も見られました。
季節を勘違いして咲いてしまった桜。
小さいですが柊の花や、椿の仲間なども。
木の芽にも、花になる丸っこいものと、葉になるとがったものがあります。
春にいち早く咲く、ヒュウガミズキとトサミズキ。
よく似たその違いを、この時期に見分けるには、ルーペを使って。
葉の柄(え)の部分に、細ーい毛があるほうが、トサミズキです。
目元の近くで固定して、物のほうを動かしてピントを合わせる・・・。
この使い方は理科のテストに出てましたね。懐かしい〜
もちろん裏山にも登りましたよ。
ここには、大小さまざまなドングリが落ちています。
ドングリには、常緑のカシと落葉樹のナラがあり、
帽子の部分が「しましま」か「うろこ状」かで見分けるのだそうです。
見分け方を知ると、気になって集めたくなりますよね。
ドングリ拾いなんて久しぶり。
ギザギザした帽子は、うろこが伸びたものだそうです。
クヌギかな?と思いますが、広島県内ではほとんどが「アベマキ」という木なんですって。
後半は、普段は休眠状態の温室を使ってみました。
残念ながら、ボイラーは止めているので風をしのぐだけですが・・・。
明るくて開放感もあって、今後のワークショップでも使えるかもしれませんね。
ロセアン特製ブレンドの、あたたかなハーブティーをいただきながら。
寒いところで飲むと、美味しさもひとしおです。
日本には、日本にしかない「固有種」がとても多いということ、
さらに、この地域の、この山にしかない、というような世界的に見るとすごく珍しい種、というのが多いそうです!
大昔はたくさんあった植物が、日本のその山にだけ残っているという可能性が高いそうです。
ながいながい時間を想像して、わくわくします。
また、浜田先生が発見に深く関わった新種の植物「シロカネカラマツ」にまつわるエピソードも。
ひとつの「新種」が認められるには、本当に初めて発見されたのかどうか、
古今東西の、あらゆる文献を調べなければなりません。
それだけで気が遠くなりそうですよね。
そして「新種ですよ」という論文の発表は、
1.研究者が誰でも容易に手に入れられる雑誌などの媒体で、
2.英語が基本で、
3.その植物を同定するための、他種と比べた特徴を述べるメインの部分は必ずラテン語で、
書かなければならないそうです。 ラテン語って・・・!
共著だそうですが、5年かかったそうです。頭がさがります。
これだけ広い地球上で、あらゆる植物ひとつひとつに、名前とはっきりした特徴があって、分類されていて、
新種が見つかれば、その都度そうした研究者の努力があるというのは、改めて考えてみるとすごいことですよね。
というわけで、今日も、とっても勉強になったのでした!
浜田先生、ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました!
また今後も、植物の事も含め、絵画や美術についてだけでなく、幅広く学べる機会をつくっていきたいと思っていますので、どうぞお楽しみに!
次回の展覧会情報と、nakata Labs情報も更新していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
↓
http://nakata-museum.jp/exhibition/index.php?mode=next#tpcpass