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WORKSHOP × BOOKS 光をあつめる・光をかさねる
更新日:2014年9月13日(土)
日も短くなり、すっかり秋の空気になってきましたね。
さて、これまでのワークショップを少しずつ振り返っていきたいと思います。
8月16日、作家の村上友重さんと一緒にサイアノタイプ(青写真)を体験する
ワークショップ「光をあつめる・光を重ねる」を行いました。
みなさんに、好きな写真と好きな本を持ってきていただいています。
ワークショップでは、自分たちで印画紙とネガをつくりました。
まずは印画紙づくり。
サイアノタイプ用の薬品を混ぜて、少し厚手で、吸水のよい紙に塗布していきます。
薬品を混ぜた段階で、露光が進んでしまうので、本社の倉庫の中に白熱球を設置し、仮設の暗室にしています。
この段階では、うすい黄緑色ですね。
印画紙を乾かしている間にネガづくりです。
持ち寄った写真を、光を通す透明なOHPシートにコピーします。
コピーする時、ネガポジ反転させるのがポイント。
印画紙に重ねた時、黒い部分は光を遮るので白く残り、
透明な部分がには光が当たって青くなる、というしくみ。
ネガには、自分の好きな本から抜き出して、言葉を書き込んでみます。
写真のイメージに手を加えることで、自分の作品にしていく試みです。
ネガが完成したら、印画紙に載せ、ずれないようにガラス板を重ね、いよいよ露光!
この日は、なんともあいにくの曇り空でしたが、紫外線があればOKなので、のんびりチャレンジです。
15〜20分間、屋外に置いておきます。
見ている間にも、ゆっくりと色が変わっていきました。
晴れていたら、もっと早くできるそうです。
その後は、水洗。
露光していない部分の薬品が、さっと流れて、きれいなブルーが現れました!
薬品が残っていると、どんどん露光してしまうので、
しっかり白い部分が残るように、たっぷりの水で洗い流します。
思った以上に、クリアなイメージが写しだされました!
ブルーもとても鮮やか。
この後も、色はゆっくりと変化していくそうです。
露光が足りなかったり、薬品の塗り残しがあったり、最初の乾燥が不十分だったり、
いろいろな原因で、うまくイメージが現れない場合もありましたが、
写真という、日頃は確かに現実を写すとされているものが、不意にゆらいでしまう様子は、なかなか刺激的でした。
デジタルカメラやスマートフォンが主流になり、写真を撮ることは増えましたが、
紙焼き(プリント)することはだいぶ減ったという方が多いのではないでしょうか。
こうして、ひとつひとつの行程に時間をかけ、手仕事を入れることで、写真がぐっと身体的なものになったように感じます。
という理屈は抜きにしても、実験のようで、不思議で楽しいワークショップでした!
どうもありがとうございました!