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WORKSHOP × BOOKS 3 いない場所、見えていること
更新日:2014年10月16日(木)
台風も過ぎ去って、尾道もずいぶんと寒くなってきました。
先日12日に作家の安田暁さんを講師に迎えて、写真を使ったワークショップ「いない場所、
見えていること」が行われましたのでそちらをご報告。
まずは安田さんに作品を解説してもらいながら展覧会を鑑賞。
安田さんは写真を主な媒体として作品を作っていらっしゃるので、「写真」を軸にしてそ
れぞれの作家の作品を解説してくださいました。
写真は、一枚のものでありながらも、様々な素材や時間が変化を遂げ層を成している
こと。しかしそれはやはり一枚のものであること。
そんな写真の要素と比較しながら作品を見ていくと、絵画やインスタレーションの作品も
また違った見方ができて興味深いお話でした。
そしていよいよ本題。
今回のワークショップは参加者の方に「気に入っている写真」、「気に入っていない写真」を
いくつか持参してもらいました。
その写真を使ってどのようなことをしたかというと…
こんな風に写真の一部をペンで消していきます!
どこを消してみようかな〜と考え中。写真の気になる部分を消す方もいれば、気になる
部分を残して他の部分を消していく方もいました。
同じ写真でも消す部分が変わることで見え方も変わってきいますね。
そして次のステップへ。今度は砂糖や塩などの粒子を使って先ほどのように像を消して
いきます。
いったいどのようなものが出来上がるのでしょうか?
彼は滝の写真を持ってきてくれました。滝の部分だけを砂糖で覆っていくようです。
まず筆を使って糊を塗っていって、そこにパラパラと砂糖をふりかけていきます。
それはまるで料理を作っているかのようです!
今回、さまざまな粒子を使ってみました。
塩、砂糖、白い砂、アクアリウム用の茶色い砂、日本画で使う白い岩絵の具。
同じ白色でも、粒子の荒い砂糖と粒子の細かい岩絵の具では随分表情が違いますし、
同じ砂でも白い砂と茶色い砂ではまた違った世界をつくりだしますね。
写真に映りこんだ世界と、粒子の質感と、作り手の意思が連鎖反応を起こして、なんと
も面白い作品がたくさんできました!
皆さんこんなにたくさんの作品をつくってくれました!
自分の意思だけではどうにもならない部分、気づかなかった部分をヒョイっとつまみ出
してくれる、楽しいワークショップでした。
安田さん、参加してくださった皆様、ありがとうございました!
安田暁さんも出品されている今回の展覧会 「”静かなもの”×BOOKS」 も今週末19
日までです。ぜひみにいらしてくださいね!