スタッフブログnakata Labs なかたラボ
ワークショップ「秋のスケッチ」を開催しました。
更新日:2016年12月13日(火)
11月に開催したワークショップ、「秋のスケッチ」の様子をお知らせいたします。
今回の展覧会 「小林和作に出会う」 には、和作のスケッチもたくさん展示しています。
必要以上に描かれたの線や、塗り重ねられた山の色は、和作が自然の形を捉えるための過程としてスケッチをし
ているのが伺えて、油絵とは印象が異なります。
そして いざスケッチ!
の、前に手の準備運動をしました。
鉛筆でぐるぐるとなぐり描きをします。
だんだん薄くしたり濃くしたり、自由に描いたりして体をほぐしていきます。
次は絵具を使って。
どれくらいの絵具の濃度が自分に合っているか、描きながら確かめます。
今回は写真のような固形の透明水彩をつかいました。
スケッチの時には持ち運びに便利な絵具です。
線を引いたり、ジグザグに描いたり・・・
限られた色を混ぜて様々な色を作ります。
この日は空気も澄んで、絶好のスケッチ日和でした。
庭の木々も 黄色やオレンジ色に少しづつ染まっています。
ハッとする鮮やかな色の落ち葉があったり、綺麗なみどりいろのどんぐりが落ちていたり
楽しい発見がたくさんあります。
しばらく庭を散歩して、スケッチしたい場所を見つけたらスケールを使って構図を決めます。
スケールをのぞきながら歩くのも、視点が変わっておもしろいものです。
そして道具を準備して描きはじめました。
いいお天気とはいえ、11月の少しひんやりとした空気。
じっと座って描いていると寒くなってきます・・・
光がこぼれ、紅葉の始まった木々のグラデーション。
目の前に見えている美しい景色を、どうにかして捉えたいと思いながら色を塗りました。
見れば見るほど、たくさんの色が目に飛び込んできます。
色を重ねてかさねて・・・
「 目の前のものを見て描く」 という単純な行為は、実は容易いことではないと思います。
これまでの経験で形成されたイメージが邪魔をして、
追いかけても追いつかない感覚に陥ることがあります。
それでも気持ちの良い空の下で シンプルな気持ちで絵を描く時間はとても心地よかったです。
そして捉えたいと思う風景がそこらじゅうにあることを再確認しました。
スケッチをたくさん描いた和作の気持ちが、少しだけわかったような時間でした。