スタッフブログnakata Labs なかたラボ
ワークショップ「展覧会のつくりかた」を開催しました
更新日:2018年11月28日(水)
先日シンガポールより、高等教育機関であるインスティテュート・オブ・コンテンポラリーアート・シンガポール(ICA )のキュレーターであり、ライターやエディターとしてもさまざまな媒体で活躍しているメラニー・ポコックさんを招いたワークショップを行いました。
ロンドン出身のメラニーさんはヨーロッパやアジアで様々なキュレーションの経験を持つと同時に、尾道のアーティスト・イン・レジデンス『AIR Onomichi』や、前回の当館企画展『PAINTERSペインターズ』の参加作家であるシュシ・スライマンさんとも長く協働しています。
今回は普段のnakata Labsワークショップより一歩踏み込んだ専門的な内容として、若手作家を中心に自分のポートフォリオ(美術用語でいうと、作家が自身の作品を相手に伝えるためにまとめたもののこと)を持ち寄ってもらい、メラニーさんとシュシさんにレビューしてもらいながら、作家同士でもお互いに交流できる場として開催しました。
メラニーさんには個々のレビューだけでなく、即興で参加者の作品をチョイスした展覧会の企画までしてもらおう!というスペシャルな内容です。
県内を中心にアートを学ぶ学生さんや、若手作家として活躍している方々が多数参加してくださいました。
写真やテキストでまとめた紙のファイルだけでなく、映像作品なども見られるようタブレットやラップトップ、そして出版物や作品そのものを持ってきてくださった方も。
メラニーさんとシュシさんが一人ひとりと真剣に向き合って話していきます。
最後に組み立てられたメラニーさんの展覧会企画は、それぞれの作品に描かれている具体的なテーマだけでなく、素材の選択や、作家と作品/創作/他者との関係性などが多角的に読み解かれ、様々なかたちでリンクされた大変鮮やかなものでした。
キーワードとなったのは、THEATER = 劇場 そして舞台、演じること、擬態することなどです。
即興のセッションで作品の芯をしっかり掴み、ときに作家自身よりも深いかたちで作品を理解して、浮かび上がらせるメラニーさんのキュレーターとしての手腕に、大変刺激をいただきました。
長時間になりましたが、参加されたみなさんが積極的に交流して、良い意見交換の場を作り上げてくださったのではないかと思います。
みなさんの今後の活動の糧にしていただければ嬉しいです。本当にどうもありがとうございました。