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チェンバロミュージアムコンサート『フランス音楽の流れを訪ねて』を開催しました
更新日:2019年11月2日(土)
先日チェンバロミュージアムコンサート『フランス音楽の流れを訪ねて』を開催しました。
今回は音楽と朗読とレクチャーをあわせたコンサートです。
フランス音楽の歴史を紐解くお話をしながら、
音楽は永瀬拓輝さんによるバロックチェロと小田郁枝さんによるチェンバロのアンサンブルを、
そしてフランス語の「詩」の朗読に、筑波大学や広島大学など数々の大学で教鞭をとってこられたサントニ ジャン・ガルリエルさんをお招きしました。
プログラムは中世ヨーロッパの教会で、楽器を用いずに大勢の声で歌われていたグレゴリオ聖歌のアレンジからはじまります。
長らく声楽が音楽の中心であり、言葉と音楽はとても重要なつながりを持っていました。
そしてルネサンスを経て、楽器製作の技術の高まりとともに器楽が盛んになり、
17世紀のバロック時代以降、チェンバロをはじめ多彩な楽器を用いて、数々の魅力的な楽曲が生み出されてきました。
クープランやラモーといったバロックの巨匠たちから、サン=サーンスやラヴェルなどおなじみの作曲家たちまで、時代の変遷を演奏とお話でお届けしました。
王侯貴族が芸術文化を育んでいた華やかな時代、そしてチェンバロが貴族文化の象徴であったがために、革命によって破壊され廃れてしまったこと、また古典が見直されることで復活してたこと…
歴史に思いを馳せながら演奏を聴くと、ひとつひとつの音色が深く心に沁みわたりました。
フランス語の響きもまるで音楽のようで、実際に耳にすることで言語と歌、詩と音楽のつながりが実感できました。
また詩人アポリネールと、ただいま美術館で作品を展示しているマリー・ローランサンはかつての恋人同士。
セーヌ河の流れに、その失恋を重ねた『ミラボー橋』も朗読され、絵画と詩の共演で、20世紀初頭のパリにタイムスリップしたかのようでした。
いつもと少し違った趣向でお送りしましたが、たいへん多くの方にご参加いただきました。
どうもありがとうございました!
日に日に寒くなってきて、イベントがたくさんの冬がやってきていますす。
次回のチェンバロミュージアムコンサートはいよいよクリスマス。
12/22(日)
あたたかみのあるフルートとチェンバロの音色でクリスマスを彩ります。
ぜひご参加ください。