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校外学習ワークショップのご紹介

更新日:2021年4月14日(水)

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昨年、尾道市立大学の学生さんといっしょに行った校外学習ワークショップをご紹介します。



参加者は「博物館教育論」を履修し、学芸員の資格取得を目指している皆さんです。

当館学芸員が非常勤講師を担当しており、ここ数年は美術館で作品を見ながら会話をする「対話型鑑賞」を行っていました。

(↓こちらが2019年の様子です…!)



しかし今回はコロナ禍のさなか、授業の一環として近距離で長時間の対話を行うことはできません。


どうすればリスクを最小限に抑えながら、双方向的なワークショップができるだろうか…と、感染症対策のガイドラインに沿って、「発話をしない」「距離を保ちながら」「ひとりずつ」できることを考えていきました。


そこで考えついたのが記述式の対話鑑賞です。


1. 気になる作品を見つける


2. 調書(ワークシート)に、作品を見て考えたことや発見したことなどを書き込む


3. 時間で区切って、調書をランダムに交換する


4. 交換した調書に記されている作品を鑑賞


5. 自分の言葉を書き足していく


6. ふたたび調書をランダムに交換する


これを何回か繰り返すことで、調書にはどんどん言葉が重なっていきます。

音声での会話を避けて、他の参加者と一緒に作品を鑑賞する試みです。


 

 

調書(ワークシート)には書き込みしやすいように、

「第一印象」「だんだん見えたもの」「疑問点」「スケッチ/図」「特に注目すべきところ」など

いくつか項目を設けています。



またこの内容を「スパイ大作戦:ミッション・イン・ミュージアム」と題して、

各自、スパイになりきってもらい、美術館での極秘リサーチのミッションということにしてみました。


スパイなら「発話をしない」「距離を保ちながら」「ひとりずつ」活動することがまったく不自然ではない(?)ですよね。 

 

スパイでなくとも、人前で発言するのが苦手だったり、聴覚や話し言葉に不自由があったりする場合に、このような記述式での「対話」が有効かもしれません。


 

シートは無記名で、手にとった人以外には最後まで中を見せずに終了し、持ち帰ってもらうことにしました。

ですのでスタッフや教員も、中身を見ていません。

(提出物は参加しての感想のみ)


作品を見ることや、そこで感じた言葉はもともとプライベートなもので、評価の対象ではないということと、

日頃の外出もままならない中で、久しぶりに美術館に来る学生さんも多く、作品との出会いを楽しんでもらいたいという考えからです。

 

 

感想の一部をご紹介します。


■ミッションを行うことによって、ひとつの作品でも様々な見え方があることが分かりました。

会話は今回はしないというルールがありましたが、感想を書いたものをシャッフルして読むことで、その紙で他の人と会話をしているようで面白かったです。

 


■自分だったら選ばないような作品を 15 分以上鑑賞するということが新鮮でした。

また、一つの絵についてディスカッションするのは少し勇気がいるけど、今回のミッションのようなやり方だったら、他の人が考えたことや感じたことを知ることもできるのが良かったと思います。

 

 

■自分にはこう感じられるけど、相手は違う感じ方をしているということが多かった。

私は四回目に自分が選んだ絵画のミッションが回ってきて、2人の意見を見ることができた。

共感してくれている意見や、全く反対の意見もあり、絵画から受ける印象は限りがないことを再確認した。

ぜひまたやってみたいです。

 

 

■1番最後に、最初自分の選んだ調書をもう一度見られたら、より深く「新しい視点」について考えられたのではないか、という印象を受けました。

 


■前に書いた人が後に書いた人の意見を見れないのは少し残念だと思った。

回ってきた調書に、前の人の意見に反応したコメントのようなものがあり、本人に見せてあげたいと感じた。

だけど匿名だから意見を書きやすいというのも感じたので、ここは難しい点だと思った。

偶然同じ作品を取り扱った別の調書が回ってきて、その調書ごとで書かれている意見が異なっていたことが興味深かった。


 

 

 


まだまだ工夫の余地はあると思いますが、この状況のなかでできる、ひとつの方法として効果的だったかと思います。


急速に充実しているオンラインのプログラムで、多くの新たなつながりを体験できることは素晴らしいと思います。


ただ今回は、実際にその場所まで足を運び、たった一枚の紙に言葉を書いて、たまたまそこにいる授業仲間の誰かとだけ共有するという、閉じつつ、つながるようなプログラムを目指しました。


こうしたコンパクトで身近なコミュニケーションにも、豊かなひろがりがあることを感じてもらえたら嬉しいです。


 

参加した皆さんにとっても、作品との向き合い方を考える上で、今後につながる気づきがあれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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