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ミュージアムコンサート「Favorite Concert for チェンバロ 〜ヴァイオリンとともに〜」を開催しました
更新日:2024年11月6日(水)
皆さんこんにちは。日に日に昼夜の寒暖差が大きくなり、すっかり秋も深まってきましたね。
なかた美術館では10/27(日)にミュージアムコンサートを開催しました。毎年10月のコンサートは1時間半のフルサイズのプログラムでお送りしています。音楽の秋を皆さんに堪能していただけるように、たっぷりと演奏していただきました。
ヴァイオリンは尾崎奏子さん、チェンバロは小田郁枝さんに演奏をつとめていただきました。
コンサート前半はバッハ特集。歴史上で音楽の父と称されるバッハですが、家庭内でも多くの子宝に恵まれ、名実ともに偉大な父でした。妻のアンナ・マグダレーナの視点で語られる物語に寄り添いながら、バッハ一家の楽曲が奏でられます。
《インヴェンション No.13》と《シンフォニア No.11》はバッハが子どもたちのために作った曲です。仕事で家を空けることも多かったバッハは、自分の留守中に子どもたちが演奏の練習に励めるような曲を用意しました。父であり音楽家でもあるバッハのことが想起されます。この2曲は現代でもピアノの練習用の教材として親しまれています。
長男であるフリーデマン・バッハの《春》は、ドイツの厳しい冬が明け、待ちかねた春の到来の喜びを表しています。タイトルの通り明るく華やかで、聴いているとつい踊りだしたくなるような曲でした。
休憩を挟んで後半からは、バッハ一族に影響を受けた作曲家の作品が演奏されました。
九男で末息子のクリスチャン・バッハはバロックから古典派への過渡期に活躍しました。「ロンドンのバッハ」とも呼ばれ、オペラの作曲で名を馳せた彼はヘンデルの後継者でもあります。
彼が作った《ソナタ Op.18 No.5より》は、本来はチェンバロで連弾するためのものでしたが、今回は片方をヴァイオリンで演奏してくださいました。チェンバロとあわせて、ヴァイオリンの軽やかな音色が際立つ楽曲でした。
ロンドンにて、クリスチャン・バッハの手ほどきを受けたモーツァルト。そのモーツァルトによる《セレナーデNo.7「ハフナー」よりロンド》は、華やかで煌びやかな楽曲でした。ヴァイオリンの旋律が特に印象的です。
モーツァルトに憧れたベートーヴェンの楽曲からは《七つのバガデルよりNo.1 変ホ長調Op.33-1》が演奏され、最後は20世紀を代表するヴァイオリニスト・クライスラーによる《ベートーヴェンの主題によるロンディーノ 変ホ長調》が披露されました。初めに、主題になったベートーヴェンの曲がチェンバロで奏でられました。チェンバロの軽快な音色の効果もあり、かわいらしい感じがします。そしてヴァイオリンも加わると、二つの楽器ののびやかな音色がとても心地よく響きました。優雅でゆったりとした落ち着きを感じさせる楽曲でした。
素敵な演奏に浸って音楽の秋を堪能できました!
ご来場いただいた皆様、出演者のお二方、どうもありがとうございました。
次回のコンサートは12/22(日)チェンバロミュージアムコンサート
「クリスマスのおはな 〜チェンバロの音色にのせて〜」
毎年恒例のクリスマスコンサート。クリスマスにぴったりの音楽とともに、心温まるお話をお届けします。
ぜひご来場ください。