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ワークショップ「クリスタンの光を探す旅」を開催しました
更新日:2025年3月1日(土)
こんにちは!
先日開催したワークショップ「クリスタンの光を探す旅」の様子をお伝えします。
ピエール・クリスタンはフランス出身の画家。
今回の展覧会では、クリスタンが描いたイタリア・ベネチアの風景を中心に展示しています。
カッドーロの壁面や水路に差し込む光を、
大胆な構図と柔らかな色彩を使い、的確に表現してあります。
優しい絵肌の中にも、クリスタンの光に対する鋭い眼差しを感じ取ることができます。
まずは作品をゆっくり鑑賞しました。
作品を見るときには、このような小さな窓枠を使いました。
大きさは8cm四方くらいのものから、1センチ四方の小さ〜いものまで。
窓枠を通して作品を見ると、どんなふうに見えるでしょうか。
スクラップブックは新聞・雑誌記事などの切り抜きを貼り付けたノートのようなもので、
馴染みのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はクリスタンの作品をコピーしたものを素材にスクラップブックを作りました。
スクラップブックの素材集めにも先程のスケールを活用しました。
作品写真の上に窓枠を置いて、好きな色や形を見つけて切り抜いていきます。
切り取った素材を台紙に貼ります。
貼り方は人それぞれ、
テーマを設け、1ページずつデザインしながら貼っているのが伝わります。
こちらは絵の中の青色の箇所を切り抜き、
黒い台紙に間隔をあけて貼ってあります。
まるで窓から海を見ているような、逆光の風景のような印象です。
こちらは、土を連想させるような赤みがかった色の集まり。
絵の具の風合いにも着目しているのでしょうか
装飾が美しい窓のコレクションや
クリスタンのサインのコレクション。
こんな自由な切り方も。
クリスタンの作品の伸びやかさが伝わってくるようです。
当館のワークショップでは、
「◯◯を作る・描く」といった具体的な目的を持って取り組んでもらうことがほとんどなのですが
今回は完成形が見えづらいため、参加者の皆さんは戸惑われるのではないかと思っていました。
しかしそんな私の心配をよそに、その「曖昧さ」を楽しんで取り組んでくれたように感じました。
言葉では表現できない曖昧なものをかき集めて、
色や形、素材を使って少しずつ丁寧に形にしていく。
作品を作り出すときって、こういう手探りのドキドキとワクワクがあったなあと
改めて実感しました。
穏やかさと鋭さを併せ持つクリスタンの作品も、
こんなふうに目の前の世界の光を丁寧に汲み取って作り出されているんだろうなと
出来上がったスクラップブックを見ながら思っていました。
参加者の皆さん、ありがとうございました!