スタッフブログ子どもと美術館
「子ども学芸員の旅2010」 報告その3
更新日:2010年8月6日(金)
MOU尾道白樺美術館[尾道大学]のワークショップ 《絵画の中の眼》をご紹介します。
尾道白樺美術館では、毎年尾道大学芸術文化学部の学生がワークショップの発案をして取り組んでいます。
今年は「日本画」「油画」「デザイン」の3つのコースのうち、「日本画」コースの学生によるワークショップが行われました。
出品作品の一部がコピーされた紙の中から、好きなものを選びます。
「作品の一部」を、トレーシングペーパーへ写します。
トレーシングペーパーを、さらに組み合わせて、その上から「線」をなぞり、カーボン紙で画用紙に写しとります。
何回も「複製」を繰り返している事になりますね。 最後に色を塗って完成です。
これは日本画を描く際につくられる「下図(したず)」の方法をアレンジしたものです。
日本画が描かれるのは和紙。
和紙がいくら丈夫でも、鉛筆で「ああでもない、こうでもない」と描いたり消したりすることはできませんね。
また、日本画で使う「岩絵具」は、下から順に何を塗るか・どう塗るか、すべてが仕上がりに影響します。
だから描く前に十分かたちや構図を検討して、なるべく無駄のない計画をたてなければなりません。
そのために「下図」という、いわば設計図のような下書きをまず描き、本番用の和紙に正確にトレースしていくというのが、通常の描き方です。
ワークショップでは、まるで絵画の構想を練るように、モチーフの位置を変え、反復させたり、組み合わせを工夫することで、子ども達が新しい作品を創っていきました。
「複製」と「作品」の関係。
オリジナリティとは?? といった、深いテーマへも導けそうですね。
興味深いワークショップでした。 ありがとうございました!
まだまだ第一日目のレポートは続きます!
次回は圓鍔勝三彫刻美術館のワークショップをご紹介します。
お楽しみに。