広島県尾道市(しまなみ)の美術館/ポール・アイズピリ、ピカソ、ルオー、小林和作、梅原龍三郎、中川一政、林武などを所蔵。チェンバロによるコンサートやフレンチレストランでの食事も楽しめます。

 
なかた美術館
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「Collections −俯瞰する絵画−」がはじまりました

更新日:2024年9月22日(日) 【展覧会】

 9月14日(土)から、「Collections −俯瞰する絵画−」を開催しています。

前回から引き続きなかた美術館のコレクションをじっくりとご紹介するような展覧会です。今回はコレクションの中から主に風景画を展示しています。

 

 

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第1展示室にはさまざまな作家の風景画を展示しており、タイトルのように「俯瞰」の構図が特徴的な作品が一堂に会しています。アイズピリや中根寛の描く尾道水道や、クリスタン、ビュフェ、モンステッドの描くヨーロッパの風景は大胆なパノラマの構図で仕上げられ、見る人を絵画の中へ引き込みます。描かれた場所や時、描いた人はそれぞれ異なっても、風景画というジャンルに通底する魅力を感じていただけると幸いです。

 

 

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第2展示室にはフランスの現代作家ピエール・クリスタンの風景画を展示しています。その中でもヴェネチアの風景を描いた作品をピックアップして展示しています。油絵具で表現された明暗のコントラストや水辺の静謐さをゆったりと鑑賞できる展示室です。

 

 

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第3展示室にはフランスの具象画家ポール・アイズピリの風景画が並んでいます。こちらにもヴェネチアや南フランスの港町サントロペ、バスク地方のサン・セバスチャン、オランダのアムステルダムなど水辺の景色が続きます。港町の活気あふれる様子を、明るく楽し気な色づかいや大らかな筆致で表現しています。

 

 

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第4展示室は“エコール・ド・パリ”を中心とするフランス近代絵画コレクションと、日本近現代絵画コレクションを展示しています。風景画をメインにしつつ静物画も織り交ぜた空間です。

 

 

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第5展示室は前回の展覧会から引き続き、「小林和作記念室」を常設しています。室内の作品は少し入れ替えて、主に和作の秋の風景画を展示しています。和作が絵付けをした陶器や漆器もお借りしました。他にも、森谷南人子や須田国太郎、中川一政など、和作と親交のあった作家の作品も展示しており、和作の幅広い交流の足跡を辿れるような空間になりました。会期中の11月4日(月祝)は和作忌ですので、ぜひ西國寺での法要や街頭展示などと併せて当館の展示もご覧ください。

 

 

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ワークショップやコンサートなどのイベントも会期中に多数企画しています。手を動かして描いたり作ったりするワークショップの他、鑑賞系のワークショップもご用意しています。

作ることが好きな方、絵を見ることが好きな方、色々な方に美術館という場所を楽しんでいただけるようなプログラムにしています。ぜひお気軽にご参加ください。

 

 

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各種イベントの情報は当館のホームページやSNS(X:旧Twitter)(Instagram)でもご案内していきます。

 

だんだんと涼しい風が吹くようになり、秋の足音が聞こえてきました。お出かけしやすい気候になってきたので、お近くにお越しの際はぜひなかた美術館へお立ち寄りください。

 

 

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「Collections -俯瞰する絵画-」

会期 = 9/14(土)〜 2025/3/2(日)

開館時間 = 9:00〜17:30(入館は17:00まで)

休館日 = 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29〜1/6)

観覧料 = 一般800円、団体・障害者割引500円、中・高・大学生300円(市内の学校に通う学生、小学生以下無料)

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ワークショップ「夏休み子ども絵画教室」を開催しました

更新日:2024年8月21日(水) 【nakata Labs  なかたラボ】

 

美術館で毎週開催している絵画教室の夏休み版、

「夏休み子ども絵画教室」の様子をお伝えします。

 

1回目はポール・アイズピリに注目! 


 

アイズピリの作品は、鮮やかな色使いで目を引く作品がたくさんありますが

今回は「背景の色」を見比べてみました。

 

 

こちらの3つの作品、似たポーズをしていますが、背景の色がそれぞれ異なっています。

左は赤、中央は青。

右側の作品は黄色と黒と、いろんな模様が散りばめられています。

 

 

それぞれの絵の登場人物から、どんな印象を受けたか尋ねてみると

左→「怒っている」「緊張している」

中央→「不安そう」

右→「宇宙人みたい」

といった意見が出ました!


色の違い、配色の違いによって印象が変わってくるんですね。

 

鑑賞の後はぬりえをしました!

鑑賞した3つの作品を好きなように色ぬりしてもらいました。

 

 

実際の作品とはかなり違った印象になってきています。

なんだかおもしろくなりそうです…!

 

 

出来上がった作品がこちら!

 

 

 

 

 

色の違いで随分と印象が違いますね。

絵を描くときのアイデアの一つとして覚えておいてくれたら嬉しいです。

  

 

そして第2回目は静物デッサン。

 

まずは展示作品の「果物」を探します。

ブドウ、洋ナシ、柿、りんご、イチジクもしくは栗、メロン、サクランボ、桃…。

 

どれも本物のように描かれているわけではないのに

どうして特定できるのでしょうか。

 

 

メロンには網目模様が描かれていて

ブドウは小さい丸い形がたくさん集まった様子が描かれています。


簡単に描かれているようで、どれも果物の特徴を掴んでありますね。



 


 

鑑賞の後はりんごを観察して描きました。

 

 

りんごは丸いイメージがあるのですが

実は個体や向きによっては少し四角い形をしていたりします。

 

 

今回は鉛筆デッサンに挑戦。いろんな濃さの鉛筆を使ってもらいました。

濃さや硬さが違っていたり、力加減で濃さが変わったり、

鉛筆はいろいろな表現方法を楽しめます。

 

 

 

みなさん、目の前にあるりんごをしっかり見て描けました。

 

 

 

 

鉛筆の濃さも使い分けて明るいところ、暗いところを表現してあります。

 

 

影のグラデーションもしっかり捉えていますね! 

 

 

 

 

自由に色を選べる力も、モチーフを観察する力も

どちらも絵を描くうえで大切な要素です。

今回参加してくれたみなさんが表現することに興味を持ってくれて

たくさん作品を作ってくれたら嬉しいです!


ご参加いただきありがとうございました!

 

 

 

皆さまこんにちは。

毎日とても暑いですね。なかた美術館では7/28(日)にミュージアムコンサート「暑い夏を元気に −サクソフォンとチェンバロで楽しく−」を開催しました。サクソフォンを山下雅也さん、チェンバロを小田郁枝さんに演奏していただきました。

 

 

 

チェンバロは15世紀頃から存在する古い楽器です。楽器の中でも「古楽器」というジャンルに分類されます。対してサクソフォンは19世紀の中頃から登場したチェンバロよりも若い楽器です。2つの楽器の共演は新たな楽しさ、面白さを伝えてくれました。

 

初めに、ヘンデルの《ラルゴ》が演奏されました。ゆったりと落ち着きのある音色で、心地良い響きでした。もとはオペラ『セルセ』の一幕であったこの曲はのびやかな印象も与えます。

 

 

 

宮城道雄の《春の海》はお正月によく聞く曲です。琴と尺八で演奏されるこの曲をサクソフォンとチェンバロで演奏してくださいました。異色の組み合わせのように思えますが、チェンバロは琴と同じく弦を弾いて音を出す楽器なので、和楽器の風雅さにも劣らない響きを聞かせてくれました。サクソフォンもしなやかな音色を響かせていて、意外にも楽器と曲がぴったりマッチしていました。夏に聞くと不思議と涼し気な気持ちになります。

 

 

 

ラターは1945年生まれの現代の作曲家です。彼が作った「古風な組曲」より《プレリュード》《オスティナート》《アリア》《ロンド》をチェンバロのソロで演奏していただきました。これは古典的な曲の組み方をしているため、「古風な組曲」というタイトルになっています。チェンバロの軽やかな音色で進行してゆく組曲は、暑い夏に爽やかな空気をもたらしてくれました。

 

 

 

最後はモンティの《チャルダッシュ》をチェンバロとサクソフォンで演奏していただきました。これは酒場の音楽とも呼ばれるとてもにぎやかで楽しげな曲です。なんと今回は山下さんがサクソフォンを吹きながら客席を練り歩いてくれました!間近で聴くサクソフォンの音色はとても迫力がありました。一緒に踊りだしたくなるような一曲でした。

 

 

 

 

 

夏の暑さで疲れ気味の心と体に、楽しい音楽のひとときで元気をもらえました。

ご来場いただいた皆様、出演者のお二方、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

次回のコンサートは10/27(日)チェンバロミュージアムコンサート

『Favorite Concert for チェンバロ 〜ヴァイオリンとともに〜』

 

次回はチェンバロとヴァイオリンの共演です!1時間半のコンサートでたっぷり演奏を楽しんでいただけます。

どうぞお楽しみに!

 
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広島県尾道市(しまなみ)の美術館 コレクションは、フランス現代具象画家ポール・アイズピリ、ピエール・クリスタン、エコール・ド・パリを中心としたフランス近代絵画、梅原龍三郎、中川一政、林武ら日本近代絵画、尾道を代表する小林和作、絵のまち尾道四季展招待作家作品など、国内外の洋画を中心とした約200点。
音楽鑑賞の場として、所蔵のチェンバロを中心としたバロックコンサートを定期的に開催するほか、ジャズやクラシックなど様々なジャンルの演奏家によるディナー付きコンサートも企画・開催しています。併設するフレンチレストラン「ロセアン」では、ランチ・ティータイムはもちろん、美術館閉館後もゆったりとした空間でライトアップされた庭園を眺めながらの本格的なディナーが楽しめます。

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