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開館20周年記念 ? 『ポール・アイズピリ展 アトリエからの夢』
更新日:2017年10月7日(土)
開館20周年記念?『ポール・アイズピリ展 アトリエからの夢』がスタートしています。
なかた美術館のコレクションを代表する画家ポール・アイズピリですが、
2016年に亡くなって以来、当館では初めてとなる本格的な展覧会です。
アイズピリは1919年、パリのなかでも特に画家が多く集ったモンパルナス地区に生まれます。
祖父はスペインとフランスにまたがるバスク地方出身で、父親が古道具屋を営んでいたこともあり、
幼いころから人の手で作られた様々な品や、多様な文化に触れて育ちました。
父親から店舗をアトリエとして受け継いだ彼の作品には、古い玩具や人形、器などがよく描かれています。
パリだけでなく南仏にもアトリエを構え、明るい空や海、港町の様子も多く描いています。
そのほか、アムステルダムやヴェネツィア、そして尾道など、各地を旅して描いた風景画、
マスカレードや道化師などの演劇的な人物像、最晩年に描き続けた花の作品などを展示しています。
見どころのひとつが、その画風の変遷です。
初期の作品は重厚な質感とシックな色彩、鋭いタッチで描かれていますが、
年齢を重ねるにつれ、より色鮮やかに、軽やかになっていきます。
南仏の光や家族に囲まれて過ごす時間が、彼の作品に影響していることが伺えます。
本展では当館のコレクションはもちろん、特別に出品いただく初期の作品から最晩年の作品まで、
またアイズピリの創作の背景に触れるような、リトグラフによる書籍や
インタビュー映像などの資料もあわせて、約80点をご紹介します。
絵を描く喜びにあふれた作品たちを、この機会にぜひご覧ください。
開館20周年記念?『ポール・アイズピリ展 アトリエからの夢』
2018年2月18日まで開催中です。