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『尾道の風景』展が始まりました。
更新日:2022年10月13日(木)
当館では先週末より、『尾道の風景』展を開催しています。
タイトルのとおり、コレクションのなかから尾道を描いた作品をまとめて展示しています。
“尾道”とひとことで言っても、“尾道らしい”風景のなかで個性を発揮したものから、日常の一瞬を切り取ったもの、心象風景として描いたものなど、さまざまです。
尾道水道、寺や石段だけでなく、向島から尾道市街を見る構図、あまり知られていないような場所を描いたものなど、画家たちがそれぞれの視点で見表情は、実に多彩です。
一枚一枚の作品からは瀬戸内の多島美、入り組んだ路地や坂道など、今も変わらない姿、そして海岸沿いの雁木や“尾道城”など、今では失われてしまったものも見つけることができます。
これらの多くは、今から約40年前に行われた「絵のまち尾道四季展」の第一回展にあわせて行われた滞在制作による作品です。
当時の日本画壇を代表する画家達、そしてアンドレブラジリエやジャン-ピエール・カシニョール、ポール・アイズピリなど、国内外から画家たちを尾道に招き、多くの作品が描かれました。
普段は風景画をあまり描かない画家も含め、各々が個性を発揮して描いた作品群は、当館のコレクションのなかでも他に例のない貴重なものとなっています。
また2001年に尾道に移住した後、風景画を多く描いた画家・塩川敏の作品を改めてご紹介しています。
きめ細かな絵肌と繊細な色調による、卓越した油彩表現が特徴で、尾道で見られる優しい自然の形と、人の営みが生み出す形が調和した風景を多く描きました。
そして今も街で愛される風景画家・小林和作の作品も展示しています。
尾道を拠点に、身近な自然を描いたものから、信州の雄大な山や海を描いたものまで、風景画家としての歩みを感じていただければ幸いです。
11月4日は和作忌でもあり、尾道市内では小林和作の旧居や、ゆかりの建物を見学できる「和作ウィーク2022」、商店街のウインドーにたくさんの作品が飾られる「和作忌協賛街頭展」など、関連の催しも盛りだくさんです。
当館でも、関連のワークショップや街歩きレクチャーなどを企画しています。詳しくは展覧会のページを御覧ください。
開館 25 周年記念なかた美術館コレクション?『尾道の風景』は 2023年2月19日(日)まで開催しています。
お出かけにも良い季節になりました。
ぜひ尾道の街歩きといっしょに、絵のなかの尾道散策をお楽しみください。